そんなこんなで、二限目の英語の授業もあッとゆ〜間に終わってしまった…。
「はいこれ約束のノート…、あとで返して下さいね」
…ニッコリ笑って、隣の席の娘はノートを渡してくれる。ここで勝負だ、…と良太ははらをくくる。
「どこかで、一緒にお昼食べません…?」
良太の申し出に…、隣の席の娘は困った表情を浮かべた。…やっちゃったかな、良太は肝を冷やす。
「お弁当を、…持って来てるんです」
そ〜ゆうコトかんならい〜や、と改めて戦う気持ちを新たにする良太…。
「それなら…、おれもコンビニでお弁当買うよ。…どこで食べるの、教室それともどこか公園?」
良太は、…これで彼女が困るなら手を引こ〜と考えてゆた。
「いつも近くの公園で食べるんです、そこなら静かで人がゆないから…」
隣の席の娘は…、トート・バッグにテキストやらノートをかたづけている。
…「じゃあ、そこで。途中、…コンビニに寄らせて」
こ〜して、…良太は隣の席の娘と。一緒にお昼を食べるコトに、こぎつけた…。予備校から歩いて5分程の…、小さな緑に囲まれた公園へとやって来る。…良太と隣の席の娘は、公園の中央にあるベンチに並んで腰を下ろした。
「君のお弁当ちゃいちーね、…おれのは特大」
隣の席の娘のお弁当は、こぢんまりして可愛らしい…。それに引き換え…、良太はお弁当二つでも食べられた。
…彼女から話を聞くと、名前は鈴代勝美とゆい。年齢は良太と同級生、…普段からこの大宮校に通っていて。自宅は、ここから自転車で10分ぐらいらしい…。
「ところで…、勝美さんご趣味は?」
…思い切って、勝美さんとよぶ良太。それもそのハズ、…この出会いこそ人生の転換点だと期待を寄せてゆるのだから。
「何だろ〜、あっお料理かな…?このお弁当も…、自分で作ってるんです」
…良太は、ハッとする。お母さんに作ってもらってるんじゃないんだ〜、お弁当を覗くと。焼き鮭ときんぴらごぼう、…それにブロッコリーとベーコンにマヨネーズをのせオーブンで焼き目をつけたのだ。ごはんには、しそゆかりのふりかけがかかってる…。
「ほとんど…、昨日の晩に作ったんです。…今朝は詰めただけ、でも昨日の夕ごはんの残りとか持って来るコトもありますケド」
既に、…お弁当を完食してしまった良太。勝美は、まだ半分ぐらいしか食べていない…。良太は感動を覚えてゆる…、何てまめな娘だろ〜と。…しかしそれ故に、自分には高嶺の花だとも思えた。それからしばらく、…勝美のお料理の話をうんうん聞いてゆる。自分については取り立てて話す程のコトはない、そ〜良太は考えた…。
勝美がお弁当を食べ終わると…、良太はベンチから立ちあがる。
…「勝美さん、ごゆっくり。おれは、…予備校に戻ってノート写して来るよ」
困ったよ〜な、表情を浮かべた勝美…。
「あ…、私も戻ります。…次の授業の、予習をしないと」
良太は、…これがおれへの脈ならなぁと思う。しかしそんなハズはない、と半ば諦めかかっていた…。こんなに可愛くて気立てのゆい娘…、いくらでも申し込みがあるだろ〜。…おれみたいにサえないのを、わざわざ相手にするひつようはないんだから。