どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その7

…戦士クリムは、神官マルミを連れて休憩室に戻り。装備を身に着けました、…そんな戦士クリムに神官マルミはゆいます。

「これで準備出来ましたね、この魔物の砦を仕切ってるのは…。トロ〜ルちゃんねこ…、砦の最上階にいますそこを目指しましょう!!」

…戦士クリムと神官マルミは、ばーばりんちゃんねこ達の監視をかい潜り最上階に辿り着きました。そこには真っ黒い扉に、…吊り看板が下がってゆます。

「と〜っても強いトロ〜ルちゃんねこのお部屋、ノックしないと思いっ切り引っ叩くぞ…」

二人は顔を見合わせると…、大きく深呼吸しました。

…「さ、いこ〜か」

「はいっ、…がんばりましょ〜!」

扉を開けると、戦士クリムは力いっぱい叫びます…。

「ぼくは戦士クリム…、みんなを苦しめる。…悪いトロ〜ルちゃんねこ、覚悟するんだ!!」

中でロッキン・チェアに座ってくつろいでいたトロ〜ルちゃんねこは、…ビックリして転げ落ちました。

「あ〜ビックリした、何だ何だお前達は…。ノックしろって書いといたじゃないか…、おしおきしてやるぞ。…みんな、集まって来〜い!」

トロ〜ルちゃんねこの呼びかけに応じて、…ばーばりんちゃんねこが次々と押し寄せます。

「ばーばりんちゃんねこ達は、私が引き受けますから…。クリムさんは…、トロ〜ルちゃんねこに集中して下さい!!」

…神官マルミの作戦に、戦士クリムは胸をドンッと叩きました。

「よしわかった、…そっちは任せるよ。さぁゆくぞトロ〜ルちゃんねこ、"どう?の剣"の威力見せてやる…!」

しかしそ〜はゆっても…、トロ〜ルちゃんねこの体は戦士クリムの2倍近くあります。

…「え〜いこしゃくな、これでもくらえ"おにこんぼう"」

戦士クリムと同じぐらいの大きさの巨大なこんぼうを振りかざして、…トロ〜ルちゃんねこは突進して来ました。それに対し、戦士クリム「どう?の剣」を抜いて迎え撃ちます…。がっち〜んと両者の得物がぶつかり合い…、火花を散らしました。

…「ふふふのふん、ど〜したど〜した口程にもないな」

つば迫り合いは、…力のあるトロ〜ルちゃんねこに軍配があがるよ〜です。うまくかわして、距離を取る戦士クリム…。

「力押しでは…、敵わない」

…戦士クリムは、ヒット&アウェイを試みてみます。一方の神官マルミは、…「ひらたい丸盾」で身を守りながら。「ねこの手も借りたいメイス」で、ばーばりんちゃんねこ達をドンドンおしおきしていきました…。「ねこの手も借りたいメイス」は一見フツーのメイスですが…、先端がねこの手になってゆます。

…「こら、あなた達は何ていけないコでしょ〜。みんなを困らせては、…いけません!!」

ばーばりんちゃんねこ達のおしりを、神官マルミはピコピコ引っ叩きました…。

「うわ〜ん…、おしりが真っ赤にゃんか」

…神官マルミが身を守る「ひらたい丸盾」は軽いのが特徴で、食事の時にはフライパンの代わりにもなります。

「くそ〜全然当たらない、…何てすばしっこいヤツだ」

トロ〜ルちゃんねこは、「おにこんぼう」をぐるぐる旋回させますが…。戦士クリムは深入りしないので…、まともに当たりません。…戦士クリムは、足を使ってかわしながら「にくきゅう印の大楯」でしっかり防ぎ。トロ〜ルちゃんねこに隙を見つけては、…細かく突いてゆきました。しかし戦士クリムも、若干あせっています…。トロ〜ルちゃんねこの「おにこんぼう」の長いリーチのせいで…、ふところに入り切れず決定打に欠けるのでした。

…そこに、神官マルミが駆け寄ります。

「クリムさんお待たせしました、…ばーばりんちゃんねこ達はも〜近くにはいません」

ホッと一息吐く、戦士クリム…。

「ありがとうマルミ…、でもぼくは苦戦してる。…トロ〜ルちゃんねこに、決定的な隙が見出せないんだ」

神官マルミは、…得意そ〜に人差し指を立てます。

「私に任せて下さい、私の理力でトロ〜ルちゃんねこの目をくらませます…!」

戦士クリムはうなずいて…、力をため始めました。

…「わかった、よろしく頼むよ!!」

それに気づいたトロ〜ルちゃんねこは、…「おにこんぼう」をやけくそに振り回します。

「そ〜はさせん、二人共引っ叩いてやる〜…」

おしりを振って…、ターンを決める神官マルミ。

…「私にみ力をお貸し下さい、ねこ天使さま。ぞ〜さんぞ〜さん、…お〜はなが長いのね!」

突き出した神官マルミのてのひらから、ピカッとねこ天使ソフエルの輝きが走りました…。

「うわっまぶしい…、何も何も見えない」

…目をごしごしこするトロ〜ルちゃんねこですが、ねこ天使ソフエルのみ力でその視界は真っ白です。

「今です、…クリムさん」

神官マルミは、戦士クリムに叫びました…。

「ありがと〜マルミ…、ゆくぞ必殺の一撃"稲光の咆哮"!!」

…稲光に包まれた「どう?の剣」の鋭い一撃が、トロ〜ルちゃんねこに直撃します。

「きゃい〜ん、…あっこれじゃワンちゃんだ。どっちにしろ、お〜ぼえ〜て〜ろ〜…」

二人は顔を合わせて…、ニッと笑いました。