戦士クリム率いる「勇者のパーティ」は、「ほりごたつの洞窟」の地下二階へ通じる階段を下ってゆます…。最初に降りた戦士クリムは…、振り返ってみんなを待ちました。…イチバン最後のミィちゃんが降り切ると、ドスンと石の壁が落ちて来て。階段がふさがれてしまいます、…その時神官マルミの「よびケロリン」が鳴り響きました。
「あっ、あそこを見て下さい…!!」
神官マルミの指差す先の天井には…、きゅうけっきちゃんねこ達がぶら下がっています。
…「ふっふっふ、ワナにかかったな〜」
一斉にはばたくきゅうけっきちゃんねこ達、…その数は前から二体うしろに一体でした。とっさに指示を出す、戦士クリム…。
「ぼくは正面の二体を引き受けた…、マルミはうしろのを頼むよ!」
…チィちゃんとミィちゃんを守るよ〜に、神官マルミは「ひらたい丸盾」を構えます。
「わかりました、…こっちはお任せ下さい!!」
「わっはっは、容赦しないぞ〜…」
正面のきゅうけっきちゃんねこは…、「ちょうおんぱ攻撃」を仕かけて来ます。
…「そんなの、も〜通用しないさ!!」
「にくきゅう印の大楯」で、…戦士クリムは「ちょうおんぱ攻撃」を弾き返しました。
「あっあぶないにゃ、それはワナにゃ…!」
思わず叫ぶ盗賊カンちゃんですが…、間に合いません。…一体の放った「ちょうおんぱ攻撃」は牽制でした。そのすきに、…も〜一体が「きゅうこうか」して来ます。「きゅうこうか」したきゅうけっきちゃんねこは、戦士クリムの右腕にかみつきました…。
「ちゅ〜ちゅ〜…、ん、健康で美味い!!」
…必死にふりほどく戦士クリム、しかしふりほどいても空中に逃げてしまいます。
「何度だって、…血をすすってやるぞ〜」
その時、盗賊カンちゃんはチィちゃんとミィちゃんに呼びかけました…。
「アイツうるさいにゃ…、チィちゃんミィちゃん石を集めるんだにゃ!」
…神官マルミのかげに隠れてゆたチィちゃんミィちゃんは、盗賊カンちゃんの声を聞くとすぐ元気になります。
「了解にゃ、…ボス!!」
「ラジャー、にゃん…!」
チィちゃんとミィちゃんは…、一生懸命走り回って山盛りの石を集めました。
…「それそれ、"ちょうおんぱ攻撃"〜」
ポケットから、…盗賊カンちゃんは「なかしっぽのスリング」を取り出します。
「そ〜はさせんにゃ、これでもくらうにゃ…!!」
盗賊カンちゃんは…、次々に石を投げつけました。
…「あいたたやられたぁ、憶えてろぉ」
きゅうけっきちゃんねこの一体は、…地面にフラフラ落ちて来てそれから逃げ出します。も〜一体のきゅうけっきちゃんねこは、「きゅうこうか」して戦士クリムに迫りました…。
「クリムも〜"ちょうおんぱ攻撃"は来ないにゃから…、そいつをやっつけるんにゃ!」
…それを聞いた戦士クリムは、力を溜めます。
「よ〜しいくぞ、…"稲光の咆哮"!!」
戦士クリムときゅうけっきちゃんねこは、正面衝突しました…。
「や〜ん…、いじわるぅ」
…きゅうけっきちゃんねこは、地獄「ねこのひたい」までカッ飛んでいきます。
「大丈夫、…マルミ!?」
うしろを振り返る、戦士クリムと盗賊カンちゃん…。
「心配なさらないで…、今決着をつけます」
…軽やかにステップを踏む、神官マルミ。
「咲いた〜咲いた〜、…チューリップの花が」
すると金色に輝く輪がきゅうけっきちゃんねこを取り囲み、光を放ちました…。
「あれここはどこで…、あたし誰にゃん?」
…光が収まると、きゅうけっきちゃんねこは一時的に。何もかも忘れてしまって、…どこかに飛び去ります。
「やったね、マルミ…!!」
戦士クリムと神官マルミは…、ハイ・タッチしました。…しかしその姿に、チィちゃんとミィちゃんは不服そ〜です。
「"うひょねこ団"も、…活躍したにゃんか」
「そ〜にゃそ〜にゃ、恩知らずにゃ…!」
それを聞いた戦士クリムは…、素直に謝りました。
…「そ〜だったね、ありがと〜ごめん」
その様子を、…少し離れたトコロから盗賊カンちゃんが見ています。戦士クリムと神官マルミは、自分達から盗賊カンちゃんに近づきました…。
「ありがと〜カンちゃん…、助かったよ」
…戦士クリムが差し出した左手を、盗賊カンちゃんはしばらく迷ってから取ります。
「ふふん当然にゃ、…"うひょねこ団"は世界一の悪党なんにゃから」
チィちゃんとミィちゃんは、ちっちゃくジャンプしました…。
「やった…、ボスはサイコーの悪党にゃ!!」
…「この二人は、手下3号と4号にゃ!」
そんな「うひょねこ団」を、…戦士クリムと神官マルミは笑って眺めてゆます。