どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その14

…戦士クリム達5人は、「ほりごたつの洞窟」地下二階を冒険してゆます。途中々々に現れる魔物達と戦いながら、…「ほりごたつの洞窟」地下二階をすみずみまで回ると宝箱を二つ発見しました。宝箱の中には、「ねずみのおもちゃ」と「ステンレスの丸盾」が入っています…。「ねずみのおもちゃ(電池で走る)」はチィちゃんとミィちゃんにあげて…、「ステンレスの丸盾」は神官マルミが装備しました。…地下二階のイチバン奥までやって来ると、そこには大きな穴がポッカリ開いてゆます。慎重に近づく、…盗賊カンちゃん。

「ワナかも知れないにゃ、チィちゃんミィちゃん一緒に来るにゃ…!!」

「はーい…、にゃん」

…「はいはい、にゃ」

ワナを警戒しながら、…「うひょねこ団」の3人はポッカリ開いた大きな穴を覗き込みました。

「すごいにゃ、海賊船だにゃ…!」

盗賊カンちゃんは…、興奮して叫びます。…チィちゃんとミィちゃんも釘づけです。

「クリムとマルミも来てみるにゃ、…も〜すごいんにゃから」

近づいて、戦士クリムと神官マルミも中を覗きました…。

「これは…、すごい!!」

…「本当に、壮観ですね!」

ポッカリ開いた大きな穴の下は、…海に侵食されて巨大な空洞になってゆます。そこにボロボロの海賊船が停泊して、波に揺られていました…。

「しかし…、ど〜やってあそこまで降りるかにゃ?」

…盗賊カンちゃんが頭を悩ませていると、戦士クリムは荷物の中からロープを引っ張り出します。

「これならど〜だろ〜、…がんじょうだし二人ぐらいまでなら支えられると想うんだけれど」

試しにロープを引っ張って伸ばしてみて、盗賊カンちゃんは確認しました…。

「うんこれならゆいにゃろ〜…、長さもギリギリにゃケド届きそ〜にゃ!」

…手近な岩の突起に、ロープをしっかりくくりつける盗賊カンちゃん。

「さて、…だれが最初に降りるかにゃけども」

「ぼくがいくよ、海賊船まで辿り着けるか…。試すんでしょ…、体力なら自信あるから」

…二つ返事で引き受ける戦士クリムに、チィちゃんとミィちゃんは拍手喝采です。

「すごい、…勇気にゃん!!」

「まさに勇者にゃあ…!」

ロープの反対側をポッカリ開いた大きな穴に投げ込んで…、盗賊カンちゃんは素っ気なくゆいました。

…「そ〜ゆうと想ったんにゃよ、バカバカしい」

ロープをギュッと握り締め、…盗賊カンちゃんはポッカリ開いた大きな穴のフチに足をかけます。

「ぼくがゆくって、ゆったじゃないか…」

戦士クリムが手を差し伸べると…、盗賊カンちゃんはそれを無視しました。

…「お前バカかにゃ、見ず知らずの盗賊の仕かけた。ロープの試し降りを引き受けるにゃんて、…お人好しにも程があるんにゃ!!」

大声でまくし立てた盗賊カンちゃんは、手応えを確認しながらロープを降り始めます…。

「何だってやった本人が責任を取るのが…、世の常にゃ!…半分ぐらいまで降りて、大丈夫そ〜なら合図するにゃから。そしたら、…一人づつ降りて来るんにゃ」

ゆっくり慎重に降りていく、盗賊カンちゃん…。

「ぼ…、ボスぅ」

…「そんなの無茶にゃ」

盗賊カンちゃんがあんまりに心配で、…チィちゃんとミィちゃんはしょげてしまいました。そんな様子を見た戦士クリムは、岩の側でくくったロープをガッシリわきにはさみます…。

「チィちゃんミィちゃん…、ぼくがここでしっかり。…ロープをつかんで離さないから、ボスなら大丈夫だよ!!」

神官マルミも駆け寄ると、…くくったロープをつかみました。

「私もお手伝いします、二人で支えれば一人の重さぐらい何とかなりますから…!」

それを聞くと…、チィちゃんとミィちゃんに元気が戻ります。

…「じゃあ、ここで合図待ってるにゃん!!」

「違うにゃ応援するんにゃから、…ラッパを出すにゃ」

チィちゃんとミィちゃんは、だんだん小さくなってゆく盗賊カンちゃんを見守っています…。