どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その18

…「さぁど〜する、降参するのか!!?」

ダークエルフ・シスターズ、エニマとカリフに、…戦士クリムと神官マルミは迫りました。追い詰められたエニマとカリフの二人は、両腕を掲げます…。

「こ〜なっては仕方ありません…、雪の悪魔ねこ"メトラン"さま。…我らダークエルフ・シスターズに残された力、お受け取り下さい」

エニマとカリフが奇妙な呪文を唱えると二人の体からオーラが立ち昇り、…雪の悪魔ねこ「メトラン」に吸い込まれてゆきました。

「おぉ何とゆ〜素晴らしい捧げモノだ、私の体に力がみなぎる…。勇者どもよよくやった…、しかし遊びは終わり滅びるがい〜!」

…両手で円を描く、雪の悪魔ねこ「メトラン」。

絶対零度の、…ダイヤモンド・ダスト!!」

すさまじい猛吹雪に襲われる、海賊船…。とてつもない雪と風で…、息も吐けません。…「にくきゅう印の大楯」で、戦士クリムは神官マルミをかばいました。

「何てすごい吹雪だ、…みんな大丈夫かい?」

「ごめんなさいクリムさん、私何だか眠たくなって…」

おしくらまんじゅうで…、「うひょねこ団」はがんばって暖をとります。

…「しっかりするんにゃ、チィちゃんミィちゃん!」

「…」

しかしだんだん、チィちゃんとミィちゃんの顔色は悪くなってゆきました…。雪の悪魔ねこ「メトラン」とダークエルフ・シスターズの…、高笑いが響きます。…それでも、戦士クリム達にはど〜するコトも出来ません。

「は〜はっは、…ど〜だ見たか勇者ども。地獄の破壊ねこ"メギムトゥ"さまに逆らう者は、こ〜なるのだ…!!あ…、アレ?」

…雪の悪魔ねこ「メトラン」の頭から、プスンと煙が昇ります。そしてその体は、…ゆっくり下降し始めました。するとあの猛烈な吹雪は影も形もなくなり、海賊船の甲板に少し雪が残ってるだけです…。

「一体ど〜したんにゃ…、終わりかにゃ」

…その場に居合わせた、誰もが事態を今イチ飲み込めません。

「ど〜なさいましたか雪の悪魔ねこ"メトラン"さま、…さぁ勇者達にとどめを」

雪の悪魔ねこ「メトラン」の元に駆け寄る、エニマとカリフ…。

「いや…、あの。…魔法の呪文の唱え過ぎで、魔力が尽きちゃったみたい。その、…ど〜しよっか降参する?」

雪の悪魔ねこ「メトラン」は恥ずかしそ〜に、こめかみをポリポリしました…。そんな雪の悪魔ねこ「メトラン」達の前に…、神官マルミが立ちはだかります。

…「まさかここまでやっておいて、降参すれば許されると想ってるんでじゃありませんでしょ〜ね?」

ゆっくりうしろに退がる、…雪の悪魔ねこ「メトラン」とダークエルフ・シスターズ。盗賊カンちゃんも、勢いよくまくし立てました…。

「そ〜にゃんそ〜にゃん…、自分達の仕出かしたコトをよく考えるんにゃんか!」

…チィちゃんとミィちゃんも、強気な態度です。

「とっても、…怖い想いをしたんにゃ!!」

「それに、凍えてブルブルしたにゃん…!」

戦士クリムに懇願するよ〜な視線を…、雪の悪魔ねこ「メトラン」達は向けました。

…「ぼくとしては許してあげてもゆいんだケド、ど〜にもそ〜ゆう空気じゃないし。ぼくの一存では、…何とも」

雪の悪魔ねこ「メトラン」達は、泣いて土下座します…。

「ど〜だろ〜みんな…、彼女達反省してるみたいだし」

…困った様子の、戦士クリム。

「おしおきが必要です、…ねこ女神"オー・ラロル"さまだってきっとそ〜仰いますよ!!」

「うひょねこ団は、逆らうヤツには容赦なんかしないんにゃ…!」

「そ〜にゃ…、そ〜にゃ!!」

…「やっつけるんにゃ!」

「どう?の剣」を振りあげ、…戦士クリムは構えました。雪の悪魔ねこ「メトラン」達は、大粒の涙を流して訴えます…。

「そんな目で見ないでよ…、ごめんね"稲光の咆哮"!!」

…稲妻をまとった一撃が振り下ろされ、雪の悪魔ねこ「メトラン」達は地獄までカッ飛ばされました。

「ふぅ」、…一息吐いて戦士クリムはみんなの方を振り返ります。

「やったね、お疲れ〜…!」

戦士クリム達勇者のパーティは…、みんなでハイ・タッチしました。