…「さぁど〜する、降参するのか!!?」
ダークエルフ・シスターズ、エニマとカリフに、…戦士クリムと神官マルミは迫りました。追い詰められたエニマとカリフの二人は、両腕を掲げます…。
「こ〜なっては仕方ありません…、雪の悪魔ねこ"メトラン"さま。…我らダークエルフ・シスターズに残された力、お受け取り下さい」
エニマとカリフが奇妙な呪文を唱えると二人の体からオーラが立ち昇り、…雪の悪魔ねこ「メトラン」に吸い込まれてゆきました。
「おぉ何とゆ〜素晴らしい捧げモノだ、私の体に力がみなぎる…。勇者どもよよくやった…、しかし遊びは終わり滅びるがい〜!」
…両手で円を描く、雪の悪魔ねこ「メトラン」。
「絶対零度の、…ダイヤモンド・ダスト!!」
すさまじい猛吹雪に襲われる、海賊船…。とてつもない雪と風で…、息も吐けません。…「にくきゅう印の大楯」で、戦士クリムは神官マルミをかばいました。
「何てすごい吹雪だ、…みんな大丈夫かい?」
「ごめんなさいクリムさん、私何だか眠たくなって…」
おしくらまんじゅうで…、「うひょねこ団」はがんばって暖をとります。
…「しっかりするんにゃ、チィちゃんミィちゃん!」
「…」
しかしだんだん、チィちゃんとミィちゃんの顔色は悪くなってゆきました…。雪の悪魔ねこ「メトラン」とダークエルフ・シスターズの…、高笑いが響きます。…それでも、戦士クリム達にはど〜するコトも出来ません。
「は〜はっは、…ど〜だ見たか勇者ども。地獄の破壊ねこ"メギムトゥ"さまに逆らう者は、こ〜なるのだ…!!あ…、アレ?」
…雪の悪魔ねこ「メトラン」の頭から、プスンと煙が昇ります。そしてその体は、…ゆっくり下降し始めました。するとあの猛烈な吹雪は影も形もなくなり、海賊船の甲板に少し雪が残ってるだけです…。
「一体ど〜したんにゃ…、終わりかにゃ」
…その場に居合わせた、誰もが事態を今イチ飲み込めません。
「ど〜なさいましたか雪の悪魔ねこ"メトラン"さま、…さぁ勇者達にとどめを」
雪の悪魔ねこ「メトラン」の元に駆け寄る、エニマとカリフ…。
「いや…、あの。…魔法の呪文の唱え過ぎで、魔力が尽きちゃったみたい。その、…ど〜しよっか降参する?」
雪の悪魔ねこ「メトラン」は恥ずかしそ〜に、こめかみをポリポリしました…。そんな雪の悪魔ねこ「メトラン」達の前に…、神官マルミが立ちはだかります。
…「まさかここまでやっておいて、降参すれば許されると想ってるんでじゃありませんでしょ〜ね?」
ゆっくりうしろに退がる、…雪の悪魔ねこ「メトラン」とダークエルフ・シスターズ。盗賊カンちゃんも、勢いよくまくし立てました…。
「そ〜にゃんそ〜にゃん…、自分達の仕出かしたコトをよく考えるんにゃんか!」
…チィちゃんとミィちゃんも、強気な態度です。
「とっても、…怖い想いをしたんにゃ!!」
「それに、凍えてブルブルしたにゃん…!」
戦士クリムに懇願するよ〜な視線を…、雪の悪魔ねこ「メトラン」達は向けました。
…「ぼくとしては許してあげてもゆいんだケド、ど〜にもそ〜ゆう空気じゃないし。ぼくの一存では、…何とも」
雪の悪魔ねこ「メトラン」達は、泣いて土下座します…。
「ど〜だろ〜みんな…、彼女達反省してるみたいだし」
…困った様子の、戦士クリム。
「おしおきが必要です、…ねこ女神"オー・ラロル"さまだってきっとそ〜仰いますよ!!」
「うひょねこ団は、逆らうヤツには容赦なんかしないんにゃ…!」
「そ〜にゃ…、そ〜にゃ!!」
…「やっつけるんにゃ!」
「どう?の剣」を振りあげ、…戦士クリムは構えました。雪の悪魔ねこ「メトラン」達は、大粒の涙を流して訴えます…。
「そんな目で見ないでよ…、ごめんね"稲光の咆哮"!!」
…稲妻をまとった一撃が振り下ろされ、雪の悪魔ねこ「メトラン」達は地獄までカッ飛ばされました。
「ふぅ」、…一息吐いて戦士クリムはみんなの方を振り返ります。
「やったね、お疲れ〜…!」
戦士クリム達勇者のパーティは…、みんなでハイ・タッチしました。