イチバン最後に…、ロープを降りる戦士クリム。甲板のうえに着地すると、海賊船はその衝撃でユラユラ揺れました…。
「みんな待たせたね、…それにしても高いなぁずい分あるよ」
…チィちゃんとミィちゃんは、キャッキャと騒いでます。
「最高の…、アドベンチャーだったにゃ!!」
「スリル満点にゃん…!」
マストの方を親指で示す、…盗賊カンちゃん。
…「あれにゃ、すごいにゃろ?」
戦士クリムと神官マルミがその根本に目をやると…、目もくらむばかりの財宝が輝きを放ってゆました。
「剣は、はにゃ〜ぶさの剣はどこだろ〜…?」
ガックリ肩を落とす、…盗賊カンちゃん。
…「お前はホンット〜に欲が無いにゃんね、ほらっあそこに」
「はにゃ〜ぶさの剣」はうずたかく積まれた財宝のてっぺんに…、逆さまに刺さっています。それを見つけるやいなや、全速力で駆け出す戦士クリム…。
「お待ちなさい、…その剣は渡しませんよ!!」
…戦士クリムの足元に、矢が突き刺さりました。
「誰だっ…!?」、「にくきゅう印の大楯」で身を守りながら、戦士クリムは辺りの様子をうかがいます…。
「あれは、…クックーシカにゃ!!」
…「うひょねこ団」が声をそろえて叫ぶと、戦士クリムの視界に巨大な怪鳥が二羽飛び込んで来ました。何者かが怪鳥クックーシカの背に乗り…、矢を放ってゆるよ〜です。旋回を繰り返しながら、怪鳥クックーシカに乗る何者かは攻撃の手をゆるめません…。
「クリムさん、…危ない!」
…戦士クリムのそばに駆け寄ると、背中合わせになり神官マルミは「ステンレスの丸盾」で防御しました。
「やはり…、こんなモノではらちが開きませんね」
怪鳥クックーシカは、戦士クリムと「はにゃ〜ぶさの剣」をへだてるよ〜に着地します…。
「姿を現さないのは、…卑怯だぞっ!!」
…「クリムさん、おケガはありませんか?」
戦士クリムが「どう?の剣」を抜いて構えると…、怪鳥クックーシカの背中から笑い声が高らかに響きました。
「あなたがうわさの勇者クリムさんね、私の名前はエニマ…」
「やっぱりうわさなんて当てになりません、…だって全然大したコトなさそ〜ですモノ。…私は、カリフ」
二つの影が…、怪鳥クックーシカから飛び降ります。エニマとカリフは、ダーク・エルフちゃんねこでした…。青白い肌に、…銀色の髪。…エニマは白銀の髪をボブに、カリフは長い髪を頭頂部で結いています。
「私達…、ダークエルフ・シスターズに勝てるかしら」
「悪いけれど、手加減はしてあげられなくてよ…?」
青地に金のフチの魔力を帯びた甲冑が、…キラリと光を放ちました。
…「なかしっぽのスリング」を取り出す、盗賊カンちゃん。
「何者かしらんにゃケド…、たった二体でこの人数に勝てるつもりかにゃん。こっちこそ、容赦なんかしないにゃからにゃん…!」
エニマとカリフはフッフと忍び笑いをもらすと、…二人揃って両手を空に掲げます。
…「おいで下さい、我らが主雪の悪魔ねこ"メトラン"さま!!
すると突然…、海賊船が猛吹雪に見舞われました。
「ダメだ、前が見えない…」
「チィちゃんミィちゃん、…早く私の"にゃんねこの法衣"に隠れて下さい!」
…「一体何にゃんにゃ、これは」
しばらくの間嵐のよ〜に吹き荒れたのち…、吹雪はピタッと止みます。そこには透き通る氷のドレスに身を包み、雪の結晶のティアラを被った…。雪の悪魔ねこ「メトラン」が、…宙に浮かんでゆました。