どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その15

イチバン最後に…、ロープを降りる戦士クリム。甲板のうえに着地すると、海賊船はその衝撃でユラユラ揺れました…。

「みんな待たせたね、…それにしても高いなぁずい分あるよ」

…チィちゃんとミィちゃんは、キャッキャと騒いでます。

「最高の…、アドベンチャーだったにゃ!!」

「スリル満点にゃん…!」

マストの方を親指で示す、…盗賊カンちゃん。

…「あれにゃ、すごいにゃろ?」

戦士クリムと神官マルミがその根本に目をやると…、目もくらむばかりの財宝が輝きを放ってゆました。

「剣は、はにゃ〜ぶさの剣はどこだろ〜…?」

ガックリ肩を落とす、…盗賊カンちゃん。

…「お前はホンット〜に欲が無いにゃんね、ほらっあそこに」

はにゃ〜ぶさの剣」はうずたかく積まれた財宝のてっぺんに…、逆さまに刺さっています。それを見つけるやいなや、全速力で駆け出す戦士クリム…。

「お待ちなさい、…その剣は渡しませんよ!!」

…戦士クリムの足元に、矢が突き刺さりました。

「誰だっ…!?」、「にくきゅう印の大楯」で身を守りながら、戦士クリムは辺りの様子をうかがいます…。

「あれは、…クックーシカにゃ!!」

…「うひょねこ団」が声をそろえて叫ぶと、戦士クリムの視界に巨大な怪鳥が二羽飛び込んで来ました。何者かが怪鳥クックーシカの背に乗り…、矢を放ってゆるよ〜です。旋回を繰り返しながら、怪鳥クックーシカに乗る何者かは攻撃の手をゆるめません…。

「クリムさん、…危ない!」

…戦士クリムのそばに駆け寄ると、背中合わせになり神官マルミは「ステンレスの丸盾」で防御しました。

「やはり…、こんなモノではらちが開きませんね」

怪鳥クックーシカは、戦士クリムと「はにゃ〜ぶさの剣」をへだてるよ〜に着地します…。

「姿を現さないのは、…卑怯だぞっ!!」

…「クリムさん、おケガはありませんか?」

戦士クリムが「どう?の剣」を抜いて構えると…、怪鳥クックーシカの背中から笑い声が高らかに響きました。

「あなたがうわさの勇者クリムさんね、私の名前はエニマ…」

「やっぱりうわさなんて当てになりません、…だって全然大したコトなさそ〜ですモノ。…私は、カリフ」

二つの影が…、怪鳥クックーシカから飛び降ります。エニマとカリフは、ダーク・エルフちゃんねこでした…。青白い肌に、…銀色の髪。…エニマは白銀の髪をボブに、カリフは長い髪を頭頂部で結いています。

「私達…、ダークエルフ・シスターズに勝てるかしら」

「悪いけれど、手加減はしてあげられなくてよ…?」

青地に金のフチの魔力を帯びた甲冑が、…キラリと光を放ちました。

…「なかしっぽのスリング」を取り出す、盗賊カンちゃん。

「何者かしらんにゃケド…、たった二体でこの人数に勝てるつもりかにゃん。こっちこそ、容赦なんかしないにゃからにゃん…!」

エニマとカリフはフッフと忍び笑いをもらすと、…二人揃って両手を空に掲げます。

…「おいで下さい、我らが主雪の悪魔ねこ"メトラン"さま!!

すると突然…、海賊船が猛吹雪に見舞われました。

「ダメだ、前が見えない…」

「チィちゃんミィちゃん、…早く私の"にゃんねこの法衣"に隠れて下さい!」

…「一体何にゃんにゃ、これは」

しばらくの間嵐のよ〜に吹き荒れたのち…、吹雪はピタッと止みます。そこには透き通る氷のドレスに身を包み、雪の結晶のティアラを被った…。雪の悪魔ねこ「メトラン」が、…宙に浮かんでゆました。