どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その42

翌日…、戦士クリムがお昼ごはんを食べて少しした頃。おヤツとジュースでも買お〜と、「ねこの通り道亭」の近所にある雑貨屋さんまで散歩しました…。するとど〜でしょ〜、…往来に何と学生ラルムが倒れてゆるではありませんか。

…「ラルムラルム、ど〜したの大丈夫!!?」

思わず駆け寄って…、戦士クリムは揺さぶります。途端に学生ラルムは、目をパッチリ開けてよろよろ立ちあがりました…。

「やぁクリムさんでしたか、…おはよ〜ございます。…今何時ですか、昨日徹夜して一睡もしていないのでついウトウトここで眠り込んでしまったのです」

ホッと胸をなで下ろす…、戦士クリム。ラルムに事情を尋ねてみると、ど〜やら戦士クリムにご用事とのコトですが…。あいにくお茶もお茶菓子も何の用意もなかったので、…そのまま雑貨屋さんに買い出しにゆくよ〜になったのです。雑貨屋さんに入ると、…戦士クリムはいつも買ってる「にゃん玉プリン」を買い物カゴに入れました。

「あっ…、そ、それは!」

学生ラルムは突然大きな声を出し、戦士クリムに走って詰め寄ります…。ビックリした戦士クリムは、…思わず買い物カゴを落としそ〜になりました。

…「"にゃん玉プリン"は、何を隠そ〜このぼくの大好物。絹のよ〜な滑らかなした触り…、たっぷり卵のまろやかなコク。こんなに美味しいデザートはこの世に二つとありません、クリムさんもこの味を好まれるのですか…?」

戦士クリムは、…ちょっと困ります。

…「う、うん、まぁ」

確かに戦士クリムは「にゃん玉プリン」が大好きでしたし…、学生ラルムとおそろいでうれしくもありました。でもそんなに深く考えてプリンは食べません、何となく選んでいるだけです…。一人でうんうんうなずく、…学生ラルム。

…「さすが伝説の勇者、世界を救うには。先ずデザートから…、やはりしたは肥えてらっしゃるのですね」

次に戦士クリムは、「みけねこチップス・あおさ味」を買い物カゴに入れました…。すると、…またしても学生ラルムは驚きの声をあげます。

…「おぉ、それは"みけねこチップス・あおさ味"!!クリムさんご覧下さい…、チップスはこの棚だけでもこれだけ種類があるのです。この数多いチップスの中から、何故"みけねこチップス・あおさ味"を選りすぐられたのです…?」

「そんなコト、…ゆわれても」

…戦士クリムはど〜返事をしたらゆいのかわかりません、ただ少しおなかが空いていて。あっさり味のチップスを…、ツマみたかっただけなのでした。黙ってしまった戦士クリムをキラキラした瞳で見詰めながら、学生ラルムは語ります…。

「"みけねこチップス"、…その歴史と伝統あるお菓子の名門みけねこ社も。…昨今の情勢として、新たな嗜好を開拓してゆます。その驚くべきチャレンジ・スピリットから…、多くの新しい美味しさが生み出されて来ました。しかし、…しかし!…やはり"みけねこチップス"の基本であり王道は、"あおさ味"ではありますまいか?さすがクリムさん…、伝説の勇者として泰然たる王への道を確実に歩まれている」

戦士クリムは、嬉しいのと恥ずかしさがゴチャゴチャになった気持ちでした…。そのあと二人は、…「ゴロゴロ、お茶」を一本ずつ買って雑貨屋さんをあとにします。…「ねこの通り道亭」までの道すがら、戦士クリムは学生ラルムに質問しました。

「そ〜ゆえば…、ラルムはど〜して昨日一睡もしなかったの?」

恥ずかしそ〜に頭をかきながら、学生ラルムは話します…。

「いや〜それが、…昨日のクリムさんのお話が。…あんまり興味深かったモノで、興奮して一晩かけてレポートをまとめていたのです。何しろクリムさんを想うと…、言葉があとからあとから溢れて止まりません。も〜、ねてなどいる場合ではなかったのですよ…」

その時戦士クリムの胸は、…ドキッと高く打ちました。

…「その完成させたレポートを、一刻も早くクリムさんに目を通していただこ〜と。"ねこの通り道亭"に急いだら…、完成させて気が緩んだのでしょ〜。急に眠たくなってあそこで眠り込んでしまったのです、いやお恥ずかしい…」

戦士クリムは想います、…ラルムはぼくのコト好きだろ〜か?…もし好きだったとして、それは一体どんな気持ちだろ〜?