も〜じき、…お昼の時間です。…戦士クリムと学生ラルムは、仲良く手を接いで「ニャンダー・ワールド」園内を回ってました。
「そろそろ…、お昼だね」
懐から、メモを取り出す学生ラルム…。
「ぼくの調べによれば、…"ニャンダー・ワールド"のおススメは。…"ごろにゃお海賊船"とゆ〜シーフード・レストランです、そこへゆきましょ〜」
戦士クリムは…、突然立ち止まります。
「ど〜なさいましたか別に他のトコでも構いません、クリムさんの好きなトコで…」
顔を真っ赤にして、…打ち明ける戦士クリム。
…「ぼ、ぼく、お弁当作って来たよ!!」
学生ラルムは何だか嬉しくて…、思わずボンヤリしてしまいました。
「えぇ、ホントですか…。嬉しいなぁ、…じゃその辺のベンチに座って食べましょ〜」
…二人は近くのベンチに腰かけて、お弁当の包みを開きます。戦士クリムが用意したお弁当は…、日のまるごはんにハンバーグ、それから卵焼き、タコさんウィンナー、ポテト・サラダでした。とても興奮気味の、学生ラルム…。
「スゴいですね、…これが全部クリムさんの手作りだなんて!」
…戦士クリムはあまりに学生ラルムが興奮するので、少し恥ずかしい気持ちです。
「初めてだから…、うまくいったかど〜かわからないケド。作り方はマルミから教わったんだ、食べてみて…」
卵焼きをはしでツまむ学生ラルムを、…ドキドキしながら戦士クリムは見詰めました。
…「うっ、お、美味しい!!これはお出汁が決め手ですね…、既製品には出せない深い味わい」
学生ラルムが「美味しい」とゆってくれると、戦士クリムの胸はほんわか温まります…。戦士クリムはこれまでずっと戦って来ました、…そのコトでた〜っくさん感謝されています。…しかしそのどの「ありがと〜」よりも、学生ラルムの「美味しい」の方がシアワセでした。
「そ〜かな…、よかったうまく出来て」
その後も戦士クリムと学生ラルムは、コーヒー・カップやメリー・ゴーラウンドに乗って遊びます…。楽しい時間の過ぎるのは早いモノ、…あっとゆ〜間に日も暮れてしまいました。…ライト・アップされる少し前の時間、薄暗い「ニャンダー・ワールド」園内で学生ラルムはボソッと戦士クリムに告げます。
「クリムさん…、ねこ女神"オー・ラロル"さま城にゆきましょ〜」
戦士クリムは知っています、港街メンムの「ニャンダー・ワールド…」その中心にある、…ねこ女神"オー・ラロル"さまと3人のねこ天使の像の前で。…愛を告げられたカップルは〜永遠〜に結ばれる、そんな伝説があるのでした。
学生ラルムは…、戦士クリムの手を引いてズンズン歩いてゆきます。モチロン学生ラルムの心臓も、ドキドキして爆発しそ〜だったのでした…。イヌミミにとってイチバンドキドキするのは、…ジェット・コースターでもお化け屋敷でもありません。…剣を手にして魔物に立ち向かうより、その相手が地獄の破壊ねこ"メギムトゥ"であってももっとドキドキするコトがあるのです。それでも負けるワケにはゆきません…、男の子なんですから。
ねこ女神「オー・ラロル」さまとねこ天使「ソフエル」「マリエル」「ミクエル」像の前までやって来た二人は、手を離して向かい合いました…。空は夕焼けで真っ赤に染まり、…雲の間から西陽が差し込んでいます。…しばらくうつむいてモゴモゴする、学生ラルム。戦士クリムは…、そんな学生ラルムを「可愛い」と想いました。
「愛してますクリムさん、ぼくはあなたのコトを愛してます…!」
戦士クリムは、…一瞬学生ラルムから視線を逸らします。…太陽は、既に港街メンムの建物のかげに沈も〜としてゆます。コクンと小さくうなずく…、戦士クリム。学生ラルムは戦士クリムに歩み寄り、力強く抱き締めました…。
「ぼくは一生かけて、…必ずクリムさんをシアワセにしてみせます」
…戦士クリムの唇に、学生ラルムは優しく自分のを重ねたのです。