ボヘムの喚び出したブラック・ドラゴンは、羽ばたいてゆっくり宙に舞い上がります…。言葉はしゃべれない…、ブラック・ドラゴンですが頭の中ではこんなコトを考えていました。
…「こんな小さな、それも女性なんぞを相手にするのにわざわざわしを喚びよって。しかし、…契約は契約だ。どれさっさと、力で捻りつぶしてやろう…」
アーシャの上空まで飛来すると…、ブラック・ドラゴンはゆっくり降りて来て。…両手のかぎ爪で引っかこ〜とします。
「すごい力、…さすがにドラゴンね!!」
アーシャは、少し後ろに退がると盾で受けとめました…。ブラック・ドラゴンは…、そんなアーシャを見てこのまま押し切れるだろ〜と考えます。…そこをかみ殺してやろ〜と、首を伸ばしました。しかし盾を捨てたアーシャは、…勇気を抱いて素早くブラック・ドラゴンの懐に飛び込むと。おなかめがけて、「上突き攻撃」を繰り出します…。
「グァっ!」…、思わず呻き声をあげるブラック・ドラゴン。…鱗におおわれていないおなかは、どのドラゴンにとっても弱点の一つでした。ブラック・ドラゴンは、…受けたダメージよりも。こんな小さな女性に傷つけられたコトに、腹を立てます…。
「このわしに痛い思いをさせるとは…、許されん。…どれわしの息吹で、一思いにドロドロに溶かしてくれる!!」
ブラック・ドラゴンは再び上昇し、…アーシャから少し離れました。すると空中で羽ばたいて、風を起こしたのです…。
「すごい風…、これでは身動きが」
…アーシャの足が止まったのを確認すると、ブラック・ドラゴンは満足そ〜に息を吸い込みました。アーシャは、…その瞬間たまたま足元にころがってゆる。酒びんの一つを、足先で宙に蹴り上げると…。落ちてきたトコロに合わせ…、ブラック・ドラゴンに向けてボレー・シュートを放ちます。
…「ゲゲっ!」
アーシャの蹴った酒びんは、…真っ直ぐブラック・ドラゴンの頭に直撃して粉々に砕けました。ダメージそのモノは大したコトはありませんが、ブラック・ドラゴンはクラクラして地上に降りて来ます…。
「これで条件は5分よ…、さぁいざ勝負ブラック・ドラゴン!!」
…アーシャは盾を拾って突撃すると、そのまま盾で体当たりをぶちかましました。
「グルルルゥ〜」、…ブラック・ドラゴンは体勢を崩しながらも反撃を試みます。ブラック・ドラゴンの両のかぎ爪を、その場で踏ん張って盾と剣で防ぐアーシャ…。しばらくの間…、ブラック・ドラゴンの両手のかぎ爪とアーシャの剣と盾で。…一進一退の攻防が。繰り広げられました。いつまでも決着がつかないのに焦れたブラック・ドラゴンは、…も〜一度長い首でアーシャにかみつこ〜とします。それをバク転でかわしたアーシャは、着地と同時に前にジャンプしてブラック・ドラゴンの頭を打ちました…。この時…、ブラック・ドラゴンは気がついたのです。
…「しまった、このわしでは。このちびスケに敵わない、…何とかして逃げなくては!」
…二、三歩後退りしたブラック・ドラゴンは、息を吸い込むと無理に息吹を吐き出そ〜としました。
「この時を待ってたの…、この勝負もらったわ!!」
アーシャは、先程ブラック・ドラゴンが息吹を吐き出そうとした時にピンと来たのです…。
「息吹を吐こうとする、…ドラゴンの開いた口こそ弱点だ」と。
…稲妻のよ〜に目にも留まらぬ速さで踏み込むと、その勢いのままに大きくジャンプしました。そしてブラック・ドラゴンが息吹を吐き出そ〜としたのと同時に…、開いた口に「カリフの剣」を突き立てたのです。
「グワッ、グワッ、グルワァ〜…!」
ブラック・ドラゴンは、…長い断末魔ののち地響きを立てて崩れ落ちました。
…こんにちは、トンデモあた坊やです。
申し訳ありません…、この一つの前の話。
「アーシャ南の大陸に舞う」 その9で、アーシャはペペを呼びます…。
そのぺぺは何をしてるのか、…この展開ではわからないですよね。
…本当は、どこかにボヘムとボヘムの配下のやり取りで。
「タイヘンですボヘムさま…、突然青いぺぺろぐぅが乱入し大暴れしてゆます!!」
とゆ〜のが入り、つまり現在「竜の塔」の下の階でモンスター達と戦ってるんです…。
いや、…忘れてたんですホント申し訳ありません!