西遊記〜一人と三匹の愉快な旅〜 その8

…山道を登ってゆく猪八戒、やがて目の前が開けて来ます。

「うへぇ、…妖怪がうようよいる。こりゃあ、ここがヤツらの陣地だな…」

猪八戒は…、外から妖怪が数えられないか何度も試しましたが。…妖怪の陣地はそこそこ広く、とても全体は把握出来ません。

「やっぱり、…忍び込むか。そ〜そ〜、オイラの口はトンがっててと〜っても目立つから…。中にしまお〜…、これで大丈夫」

…妖怪の陣地の入り口に向かうと、番をしてる妖怪に声をかけられました。

「新入りか、…その鎧と兜は。確かに我らのモノだが、見ない顔だな…」

ぺこぺこして…、怪しまれないよ〜にする猪八戒

…「そ〜なんですよ、実は今日が初めての任務で。たった今、…見回りを終えたトコなんです」

番をしてる妖怪は、それだけのやり取りで通してくれます…。陣地の中に入ると…、妖怪達を数え始める猪八戒

…「おいっ、そこのお前!!何をキョロキョロしてるんだ、…名前を名乗れ」

猪八戒は、突然別な妖怪に声をかけられ…。ビックリして飛びあがりそ〜になるのを…、必死でこらえました。

…「私、頓知鬼とゆいますです。おふくろさまが、…生まれつきとんちが利くよ〜にと」

思いつきのでたらめを、口にする猪八戒…。

「聞かんなぁ…、それはゆいだろ〜。…虎徹将軍が、芭蕉扇の番をする者を求めておられる。手が空いてるなら、…お前ゆって来い!」

(妖怪の将軍の面構えも拝めるし、何より芭蕉扇が手に入るかもわからんぞ…!!)

猪八戒は…、幸運に嬉しくて飛びあがりそ〜です。

…「はいはい、ただ今ゆって参ります」

心の中ではウキウキしながら、…妖怪を数えてゆく猪八戒。(だいたい全体の半分かな?)、とゆ〜辺りで30を超えました…。

「あっ…、お前は。…さっき我々を襲った、猪八戒じゃないか!」

ところが物事とゆ〜のは、…何かもがそんなにとんとん拍子に進むワケではありません。猪八戒は、さっき弓をつがえてゆた妖怪とばったり出会ってしまいます…。

「いや…、私は頓知鬼とゆ〜妖怪でして。…ほら、見て下さい。猪八戒の野郎みたいに、…口もトンがってないでしょ?」

自分のしまってある口を、指で示す猪八戒…。

猪八戒だぞ…、三蔵法師のお供がここにゆるぅ〜!!」

…大声を出し始める、弓をつがえていた妖怪。すると、…色んな頭の妖怪がわらわら集まって来ました。

「こ〜なったら仕方ない、ゆくぞ必殺"火とんの術"…!」

猪八戒は…、口から炎の柱を吹き出します。…集まって来た妖怪も、誰も近づけず。後退りするのを見ると、…猪八戒は一目散に逃げ出しました。山道をひたすら駆け下り、途中でびわの実に一瞥をくれながら…。お師匠さまのゆる見方の陣地まで…、必死に走ります。…そして、やっと孫悟空沙悟浄が見えて来ました。

「兄貴、…妖怪の陣地に忍び込んで。偵察して来たゼ、妖怪達は30体よりは多いが…。100体もいない…、それに"虎徹将軍"ってのが芭蕉扇を持って来てるらしい!!」

猪八戒がぜぇぜぇと地面に倒れると、それをのぞき込む孫悟空

「でかしたぞ弟、…それだけわかれば上等だ!お師匠さまとご一緒に、しばらくやすんでろ…。炎を起こす芭蕉扇を持って来てるなら…、お前の術が必要だ悟浄。…よしっ二人で乗り込むぞ、せいぜい一暴れしてやろ〜ゼ!」

孫悟空が筋斗雲を呼ぶと、…二人はそれに乗り込みます。

 

これからの戦いに臨む孫悟空の勇気のテーマ…

「Party hard」 Andrew W.K.

https://youtu.be/WccfbPQNMbg