どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その2

やはり主まーくん・ハリストスと同じ時代に、背の低い小さな男の子がゆたのです…。男の子はそれはも〜おとなしくて…、でもそのお母さんは男の子を大切にしませんでした。…男の子がおとなしいのを、「男らしくない」と毎日叱っていたのです。そんなある日、…男の子は目の開いてゆない白いこねこと出会いました。お母さんに内緒で連れ帰った男の子は、インターネットで調べて目を開けてやったのです…。そのお母さんはたいそう怒りました…、「こねこなんか勝手に連れて来て」とすごい剣幕だったのです。…ところが男の子は、ここだけは譲りません。なかば強引に、…白いこねこを飼い始めました。男の子は白いこねこに「ごはん」と名づけて、それはそれは甘やかしたのです…。しかし…、それは「ごはん」にとってあまりゆいコトではありませんでした。…だんだん「ごはん」は、自分を抑えられない暴れん坊なねこに育ってしまったのです。それでも「ごはん」を可愛がる男の子でしたが、…愛されるシアワセがわからない「ごはん」は男の子を捨てました。

そんな「ごはん」は、モチロン「ねこねこファンタージェン」でもみんなから嫌われます…。それでも反省しない「ごはん」は…、ねこ女神「オー・ラロル」を恨んだのでした。…その魔力で地獄「ねこのひたい」を創り出した「ごはん」は、そこで支配者破壊ねこ「メギムトゥ」として君臨します。そこに他にも悪い心の持ち主である、…三匹のねこ達が集まり悪魔ねことして従いました。

人をイライラさせる、雷の悪魔ねこ「カミマル…」人を寒い気持ちにさせる…、雪の悪魔ねこ「メトラン」…そわそわ落ち着かなくさせる、地震の悪魔ねこ「ナヤワ」

この四匹が…、地獄「ねこのひたい」を支配しているのです。

そしてその地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」を崇拝する、女帝ゾフィネーヌの治めるマルトム・クルメ城…。その地下にある、…石造りの「魔法陣の間」でゾフィネーヌは奇妙な呪文を唱えていました。…ゾフィネーヌが呪文を唱え終わると、部屋の中央に位置する魔法陣は。目もくらむ程怪しく光輝き、…光が失われるとそこには。はら巻き一丁の地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」が、おなかをポリポリかいて横たわってゆたのです…。

「私を喚び出すのは…、何モノにゃん?」

…ひざをついて頭を下げる、女帝ゾフィネーヌ。

「私はあなたさまの忠実なるしもべ、…女帝ゾフィネーヌにございます。メギムトゥさまにおかれましては、ごきげん麗しゅう…」

短いかぎしっぽを…、地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」はくるくる回しました。

…「そ〜でもなさげにゃん、あ〜美味いモンが食いたいにゃあ」

それを聞いた女帝ゾフィネーヌは、…待ってましたとばかりに報告します。

「メギムトゥさまいましばらくお待ちいただければ、必ずや世界一美味なる"神さまの焼きさんま"をご献上致しますゆえ…」

それを聞いて…、地獄の破壊ねこ「メギムトゥ」はだらだらよだれをたらしました。

…「にゃんにゃん、それってサイコーにゃん!!"神さまの焼きさんま"を美味しく毎日食べれば、…それって私が神さまってコトにゃんか」

頭を低く低くたれる、女帝ゾフィネーヌです…。

「その通りです…、メギムトゥさま。…メギムトゥさまが"神さまの焼きさんま"をお召しあがりになれば、ねこ女神"オー・ラロル"などもはや用済み。全てこのゾフィネーヌにお任せ下さい、…必ずやメギムトゥさまにこの"ねこねこファンタージェン"の神さまになっていただきます」

一方、その頃「ねこねこファンタージェン」の片田舎キトランの村では…。

「ぱくぱくぱく…、あ〜本当に美味しいなぁ」

…戦士クリムは、お母さんの作ってくれた、特製ねこまんまをもりもり食べてゆました。

戦士クリムのお母さんの作るねこまんまは、…まさに特製で。どんぶりのうえに、たっぷりおかかと刻みのりをまぶし…。そこに温泉たまごをデン!とのせ…、お出汁の利いたおつゆをかけたら出来あがり。…この特製ねこまんまが戦士クリムの大好物でしたから、一度にどんぶり三杯はかる〜くたいらげたのです。

「ごちそうさまでした、…お母さんありがとう。じゃぼく、遊びにいって来ま〜す…!」

おなかいっぱいの戦士クリムはシアワセな気持ちで…、巫女サヘラのトコロに遊びに向かいました。

…「それにしても、最近のサヘラと来たら。全く付き合いが悪いんだよな、…ねこ女神“オー・ラロル"にお勤めしなきゃなんないとか何とか。そんなのいけないコトさ、だってぼく達は根がぐうたらしてるんだモノ…。そんな真面目さ…、きっとねこ女神"オー・ラロル"だって悦ばれないに決まってる」

…そんな考えを巡らせながら神殿に向かって歩いてゆくと、遥か遠くから怪しい煙がこちらにおし寄せて来ます。

「いったい、…アレは何だ!!?」

戦士クリムは慌てておウチへ帰ります、それは戦士の装備を整える為でした…。