どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その10

「それではカンちゃんさん、ゆいお話とは一体どんなでしょ〜聞かせて下さい…」

カンちゃんに向かってたずねる…、神官マルミ。…目をキラッと光らせ、カンちゃんはもったいつけました。

「みんなには内緒にゃよ、…約束するにゃ?」

げんこつを再び振りあげる戦士クリム、カンちゃんは慌ててしみだらけの古い地図を取り出します…。

「お〜…、にゃん!!」

…「にゃんにゃにゃんにゃ」

はやすチィちゃんとミィちゃんに、…戦士クリムは。

「やかましいなぁ」、とボヤきました…。誇らしげに…、カンちゃんは古ぼけた地図を広げます。

…「この由緒ある宝の地図によれば、ここからずっと北にゆったトコロに。"ほりごたつの洞窟"の入り口が、…隠されているんにゃ!」

チィちゃんとミィちゃんは、そわそわし始めました…。

「ボス…、そこには何があるんにゃ?」

…「美味しいおまんじゅうに、決まってるにゃ!!」

得意満面で、…カンちゃんは解説を続けます。

「"ほりごたつの洞窟は、にゃんと地下深くで海と接がってるんにゃ…。そしてそこには…、も〜誰もゆない海賊船が停泊していて」

…「ワックワクにゃ」

「ドキドキなの、…にゃん!!」

しかし戦士クリムは、逆に少し飽きてゆました…。

「それで…、そこには何があるの?」

…同じ意見の、神官マルミ。

「"何か"、…冒険の役に立つんでしょうか」

ふっふっふ、とカンちゃんはふくみ笑います…。

「聞いて驚けみて驚けにゃ…、そこにはにゃにゃんと。…海賊の遺したお宝がわんさと眠ってるんにゃ、ど〜にゃ参ったか〜!」

チィちゃんとミィちゃんは、…も〜大悦びでした。

「お宝鑑定団に持ち込むにゃ…(ちょっと古いですね)」

「ゆいお仕事…、為さってますにぇ」

…ところが、戦士クリムにはガッカリです。

「ツまんないお話」、…神官マルミもあくびを一つ。

「クリムさん、そろそろ寝ましょ〜か…?」

びっくらこいて…、カンちゃんはたまげました。

…「にゃ、にゃ、にゃにをいってるにゃ、一生かかっても使い切れない。海賊のお宝にゃよ、…それをみすみす」

不機嫌な戦士クリムは、やがて怒り出します…。

「あのさ…、ぼくらは女帝ゾフィネーヌの魔の手から。…親友のサヘラを取り戻さなくちゃならないんだ、そんな宝探しごっこに付き合ってるヒマはないよ!!」

しかし目をキラリと光らせたカンちゃんは、…奥の手を出しました。

「海賊船には、船長の帯びてゆた"はにゃ〜ぶさの剣"が眠っているとしても…?」

戦士クリムの心に…、衝撃と動揺が走ります。

…「何だって、あの名剣"はにゃ〜ぶさの剣が!?」

戦士クリムにたずねる、…神官マルミ。

「知ってるんですか、クリムさん…?」

戦士クリムは…、興奮が抑えられません。

…「"はにゃ〜ぶさの剣"といえば、羽毛のよ〜に軽いのに鋼よりももっと丈夫で。何でも鉄をどろのよ〜に斬り裂くとゆ〜、…戦士ならだれでも憧れる名剣だよ」

神官マルミは、穏やかに微笑みました…。

「それなら…、お話は決まりですね」

…がぜん乗り気な、戦士クリム。

「モチロンだよ、…女帝ゾフィネーヌのマルトム・クルメ城に近づくだけ。現れる魔物は手強くなるんだ、何としても"はにゃ〜ぶさの剣"の力が必要になる…!!」

そんな戦士クリムと神官マルミを横目に…、「うひょねこ団」の三人はほくそ笑みます。

…「ふふふのフン、にゃ〜んて単純なヤツらにゃろ〜。利用されてるだけとも気がつかず、…これで海賊船のお宝はいただいたも同然にゃ!」

カンちゃんの企みに、チィちゃんとミィちゃんもにっこにこでした…。

「さすがボス…、悪党にゃ!!」

…「ボスの悪知恵は、世界一にゃ!」

こ〜して5人は、…一度テントに戻ります