「それではカンちゃんさん、ゆいお話とは一体どんなでしょ〜聞かせて下さい…」
カンちゃんに向かってたずねる…、神官マルミ。…目をキラッと光らせ、カンちゃんはもったいつけました。
「みんなには内緒にゃよ、…約束するにゃ?」
げんこつを再び振りあげる戦士クリム、カンちゃんは慌ててしみだらけの古い地図を取り出します…。
「お〜…、にゃん!!」
…「にゃんにゃにゃんにゃ」
はやすチィちゃんとミィちゃんに、…戦士クリムは。
「やかましいなぁ」、とボヤきました…。誇らしげに…、カンちゃんは古ぼけた地図を広げます。
…「この由緒ある宝の地図によれば、ここからずっと北にゆったトコロに。"ほりごたつの洞窟"の入り口が、…隠されているんにゃ!」
チィちゃんとミィちゃんは、そわそわし始めました…。
「ボス…、そこには何があるんにゃ?」
…「美味しいおまんじゅうに、決まってるにゃ!!」
得意満面で、…カンちゃんは解説を続けます。
「"ほりごたつの洞窟は、にゃんと地下深くで海と接がってるんにゃ…。そしてそこには…、も〜誰もゆない海賊船が停泊していて」
…「ワックワクにゃ」
「ドキドキなの、…にゃん!!」
しかし戦士クリムは、逆に少し飽きてゆました…。
「それで…、そこには何があるの?」
…同じ意見の、神官マルミ。
「"何か"、…冒険の役に立つんでしょうか」
ふっふっふ、とカンちゃんはふくみ笑います…。
「聞いて驚けみて驚けにゃ…、そこにはにゃにゃんと。…海賊の遺したお宝がわんさと眠ってるんにゃ、ど〜にゃ参ったか〜!」
チィちゃんとミィちゃんは、…も〜大悦びでした。
「お宝鑑定団に持ち込むにゃ…(ちょっと古いですね)」
「ゆいお仕事…、為さってますにぇ」
…ところが、戦士クリムにはガッカリです。
「ツまんないお話」、…神官マルミもあくびを一つ。
「クリムさん、そろそろ寝ましょ〜か…?」
びっくらこいて…、カンちゃんはたまげました。
…「にゃ、にゃ、にゃにをいってるにゃ、一生かかっても使い切れない。海賊のお宝にゃよ、…それをみすみす」
不機嫌な戦士クリムは、やがて怒り出します…。
「あのさ…、ぼくらは女帝ゾフィネーヌの魔の手から。…親友のサヘラを取り戻さなくちゃならないんだ、そんな宝探しごっこに付き合ってるヒマはないよ!!」
しかし目をキラリと光らせたカンちゃんは、…奥の手を出しました。
「海賊船には、船長の帯びてゆた"はにゃ〜ぶさの剣"が眠っているとしても…?」
戦士クリムの心に…、衝撃と動揺が走ります。
…「何だって、あの名剣"はにゃ〜ぶさの剣が!?」
戦士クリムにたずねる、…神官マルミ。
「知ってるんですか、クリムさん…?」
戦士クリムは…、興奮が抑えられません。
…「"はにゃ〜ぶさの剣"といえば、羽毛のよ〜に軽いのに鋼よりももっと丈夫で。何でも鉄をどろのよ〜に斬り裂くとゆ〜、…戦士ならだれでも憧れる名剣だよ」
神官マルミは、穏やかに微笑みました…。
「それなら…、お話は決まりですね」
…がぜん乗り気な、戦士クリム。
「モチロンだよ、…女帝ゾフィネーヌのマルトム・クルメ城に近づくだけ。現れる魔物は手強くなるんだ、何としても"はにゃ〜ぶさの剣"の力が必要になる…!!」
そんな戦士クリムと神官マルミを横目に…、「うひょねこ団」の三人はほくそ笑みます。
…「ふふふのフン、にゃ〜んて単純なヤツらにゃろ〜。利用されてるだけとも気がつかず、…これで海賊船のお宝はいただいたも同然にゃ!」
カンちゃんの企みに、チィちゃんとミィちゃんもにっこにこでした…。
「さすがボス…、悪党にゃ!!」
…「ボスの悪知恵は、世界一にゃ!」
こ〜して5人は、…一度テントに戻ります