戦士クリムは魔女ケレナと一緒に…、港街メンムのおシャレなアパレル・ショップに来ています。お店はモチロン、魔女ケレナの案内でした…。
「あっこれなんかゆいかも、…こっちもおシャレかな。…ねぇクリム、どっちがゆい?」
試着室にこもる戦士クリムに…、魔女ケレナは面白がって色々な洋服を手渡します。
「ケレナぼく無理、こんなの着られないよ…」
試着室の中から手を伸ばし、…戦士クリムは魔女ケレナに洋服を返しました。…その洋服は、ピンクの生地にたくさんのフリルがあしらってあるのです。
「え〜可愛いジャン…、クリムならケッコウ似合うと想うんだケド。でもジーンズは履かせないよ、絶対スカートじゃなきゃダメ…!!」
戦士クリムは、…スカートなんて履いたコトありません。…持ってるボトムスはみんなジーンズで、今日の上着はグレーのパーカーでした。
「無理だよスカートなんて…、ぼくには似合わない」
両手に山盛りのスカートを、…魔女ケレナは試着室に運びます。
…「ダメダメ、初デートでしょ!女の子らしくしてかなくっちゃ…、それにその意外性にクラッとするんだから。ど〜するクリム、お付き合いするコトになったら…」
「知らないよっ、…そんなの!!」
…洋服でいっぱいになった試着室で、戦士クリムは何とか着られそ〜なモノを選びました。
「ど〜かな…、着てみたけれど」
戦士クリムは、白のカット・ソーにデニムのスカートとゆ〜出立ちです…。
「うんうん、…それならゆいかも。…少し地味だケド、でもそれでスニーカーだと。カジュアル過ぎちゃうから…、足元はこれにしよっ!」
黒い革のローファーを選ぶ、魔女ケレナ…。戦士クリムはも〜恥ずかしくて、…顔から火が出そ〜でした。
…「ねこの通り道亭」に戻った戦士クリムは、神官マルミからお料理を習います。神官マルミに見守られながら…、戦士クリムはハンバーグのタネをこねました。
「こんな感じかな、ど〜マルミ…?」
静かにうなずく、…神官マルミ。
…「そ〜そ〜、そんな感じです。あまり力を入れ過ぎないで…、あっマヨネーズ入れましょ〜」
「えっ、ど〜してマヨネーズなんて入れるの…?」
神官マルミは、…人差し指を立てます。
…「ハンバーグのタネにマヨネーズを少しだけ混ぜると、冷めてもお肉が固くならないんです」
ハンバーグを作り終えた戦士クリムは…、次に卵焼きの作り方を習いました。
「味つけは、クリムさんのお出汁でゆいと想います…。あとは焼き加減と、…形を整えるコトですね。…あっ、あんまりかき混ぜ過ぎないで下さい」
スゴい勢いでかき混ぜる戦士クリムを…、神官マルミは慌てて止めます。
「あんまりかき混ざると、出来上がりがフワッとしなくなってしまうんです…」
戦士クリムは神官マルミにゆわれた通り、…充分に熱したフライパンに卵液を流し込みました。
…「クリムさん手早くですよ、リラックスして下さい」
焼けて固まりつつある…、卵液の端っこをツまみクルクルッと丸める戦士クリム。そしてお皿に開けると、少しだけ卵焼きはカタチが崩れてしまっています…。
「クリムさん、…初めてなのに。…じょうずです、充分ですよ」
神官マルミも…、笑顔でした。
「うん、美味しく食べてくれるとゆいな…」
ちょっと崩れた卵焼きは、…ホカホカ湯気を立てています。