「きみで最後だ、…やぁぁ〜!!」
…最後の一体の魔物、メイジちゃんねこを聖戦士クリムは「おおトロの剣」で退治します。
「さ〜よお〜なら〜…、やってらんな〜い」
メイジちゃんねこは、ねこ地獄へカッ飛んでいきました…。
「ふぅっ、…魔物達を片づけたらスッキリした」
…額の汗をぬぐって、魔女ケレナはさわやかに宣言します。
「出たトコ勝負でど〜なるかと想いましたが…、案外何とかなるモンですね」
神官マルミは手拭いを取り出し、「ねこの手も借りたいメイス」の汚れをふきとりました…。
「よぉ〜し、…このまま正面からゆっちゃうよ」
…やる気を出した聖戦士クリムの提案に、神官マルミと魔女ケレナもうなずきます。3人は城門を目指して…、城壁に沿って歩き出します。
「マルトム・クルメ城って、ずい分大きいんだね…」
歩きながら振り返った聖戦士クリムは、…つぶやきました。
…「元々マルトム・クルメ城は、イチバン最初の勇者。パリンによって建てられたと伝えられてゆます…、"ねこねこファンタージェン"を平和で安らかに治める為に」
神官マルミは、聖戦士クリムに説明します…。
「勇者パリンって、…聖戦士を超えた勇者なんでしょ。…何てゆったけ、聖慈英王?」
魔女ケレナの方に…、聖戦士クリムは向き直りました。
「ケレナ、勇者パリンって知ってるんだ…?」
魔女ケレナは、…慌てて両手を振ります。
…「そんなに詳しいワケじゃないケドね、それにしてもクリム。勇者パリンについて…、何も知らないの?」
聖戦士クリムに、説明を始める神官マルミ…。
「勇者パリンは、…勇者の中の勇者と呼ばれていて。…旧き古の時代、まだ"ねこねこファンタージェン"がゆるゆる混沌としてた頃。聖慈英王として君臨し…、秩序と繁栄をもたらしたのが勇者パリンです。今も残る"ねこねこファンタージェン"各地の歴史ある都市は、勇者パリンの都市計画に基づいて…。造営された街も、…少なくないんですよ」
…聖戦士クリムは、両腕を組んでうんうんうなずきました。
「そりゃあ…、偉い勇者だったんだねぇ」
髪をかきあげる、魔女ケレナ…。
「そして、…いつの頃からか女帝ゾフィネーヌが現れた」
…神官マルミは、魔女ケレナを見詰めます。
「女帝ゾフィネーヌについては…、やはり魔女ですからケレナさんが詳しいと想います」
お話がまるっ切りチンプンカンプンな、聖戦士クリム…。
「何々、…女帝ゾフィネーヌは何をしたの?」
…魔女ケレナは、嫌悪をあらわにしました。
「アイツは…、元々はアタシ達と同じ魔女ネコミミだったの。ど〜せ大した才能もなかったんでしょ、それで魔法の力を悪用して…。このマルトム・クルメ城に保管されてた、…"王者のメダル"を奪った。…"王者のメダル"は勇者パリンが身につけてゆたメダルで、持つモノにすさまじい知恵と力を与える。その力で地獄の破壊ねこ"メギムトゥの封印を解いて…、女帝なんて名乗ってるのさ」
魔女ケレナの言葉を補足する、神官マルミ…。
「そ〜なんです、…女帝ゾフィネーヌの女帝たるゆえんは。…実は聖慈英王の証、"王者のメダル"にあります。もしそれを女帝ゾフィネーヌから取り戻せたなら…、その時はクリムさんが次の聖慈英王に」
その時、鋭い声が響き渡ります…。
「よく来たね、…アンタ達!!…ゾフィネーヌさまの治めるこのマルトム・クルメ城で、おしゃべりなんてずい分余裕じゃないの。でも今にその顔が恐怖に引きつるコトになるよ…、ここがアンタ達の墓場になるんだから」
声の主は、雷の悪魔ねこ「カミマル」でした…。3人はいつの間にか、…城門の前までやって来てしまっていたのです。
…「カミマル、あの時の借りは今こそ返すよ!」
聖戦士クリム、神官マルミ、魔女ケレナは…、それぞれの武器を構えて雷の悪魔ねこ「カミマル」に対峙しました。