どらねこクエスト〜はらペコ勇者の大冒険!!〜 その63

「さぁ覚悟なさい、…これがねこ女神"オー・ラロル"さまのみ心ですよ!!」

…2体のソーサラーちゃんねこを、神官マルミは次々に「ねこの手も借りたいメイス」で打ちました。

「アイタ〜痛いやおまへんか…、ワテらをナめたらあきまへんで」

ソーサラーちゃんねこも、「スケルトンの杖」を振り回し抵抗しますが…。

「ゆ〜コト聞けない悪いコは、…もっとおしおきが必要です!」

…「ねこの手も借りたいメイス」と「ステンレスの丸盾」を駆使して、神官マルミはジリジリと押していきます。

「えぇい何てしつこいヤツだ…、これで決着をつけてやる!!」

雷の悪魔ねこ「カミマル」は、聖戦士クリムがあまりに強くたくましく成長してゆるのに焦り…。

雷攻撃を繰り出そ〜と、…魔法の呪文の詠唱を始めました。

…「マルミ、バリアーを借りるよ。マルミも…、早く中に入って!」

聖戦士クリムと神官マルミは、それぞれ手近な理力のバリアーに避難して伏せます…。するとすぐに雷の悪魔ねこ「カミマル」の喚んだ雷が、…広範囲に炸裂し嵐を巻き起こしました。…しかし神官マルミの造った「ふるさと」のバリアーに、当たっては弾けます。

「クリムさん…、まだいくつかバリアーは残ってます。カミマルだってそ〜何度も、雷は起こせないでしょ〜し…。残った"ふるさと"で、…間に合わせましょ〜!!」

…神官マルミの呼びかけに、聖戦士クリムも応じました。

「うんわかった…、カミマルも。かなり疲れてるよ、あとも〜ひと踏ん張りがんばろ〜…!」

2人の読み通り、…雷の悪魔ねこ「カミマル」は相当消耗しています。…そもそも雷の悪魔ねこ「カミマル」の得意な戦術は、パワーに任せて一気に押し切るとゆ〜モノ。こ〜ゆったなかなか決着のつかない長期戦は…、苦手だったのでした。事実、悪魔ねこ「カミマル」は肩で息をしています…。

「ぜぇぜぇちくしょうこんなハズはない、…アタイがこんな虫ケラみたいなヤツらに苦戦するなんて」

…その時、魔女ケレナの声が響きました。

「はぁ〜いみなさん…、お・ま・た・せ」

魔女ケレナは黄色のオーラをまとい、溢れ出す魔力で宙に浮かんでゆます…。

「この美貌と抜群のスタイルを併せ持つ、…天才魔女ネコミミケレナさまの。…最大最強のグレートな必殺魔法の、準備は万端よ!!ほらクリムもマルミも…、早くバリアーに入って」

動揺してバタバタ走り回る、2体のソーサラ〜ちゃんねこ…。

「カ、カミマルさま、…ワテら一体ど〜すれば」

…「うるさいね、私だって今考えてるんだよ」

悪魔ねこ「カミマル」は…、最後の力を振りしぼって雷攻撃を仕かけよ〜と魔法の呪文を唱え始めました。

「フフン今さらも〜遅い、覚悟しな"グランド・ドンゴロス…!」

魔女ケレナが叫ぶと、…グワッと大爆発が始まります。…爆発は大きくふくれあがり、何もかもを巻き込んでゆきました。悪魔ねこ「カミマル」も2体のソーサラーちゃんねこも…、城門も城壁も何もかもが砕かれ崩壊していきます。地面までが、まるで崩れるかのよ〜にゴ・ゴ・ゴと唸りをあげてゆました…。

「す、すごい爆発だ、…マルミは大丈夫だろ〜か?」

…「ふるさと」のバリアーの中で伏せながら、聖戦士クリムは神官マルミを案じます。爆発は少しずつ収まってゆき…、あとに残されたのはまるっきりの荒野でした。

「あ〜、つっかれた〜…」

魔女ケレナは、…その場にペタンと尻もちを突きます。

…「ケレナ、やったね!!」

「ケレナさんお疲れさま…、すごかったです」

魔女ケレナの元に、聖戦士クリムと神官マルミが駆け寄りました…。照れてほっぺたをかきながら、…魔女ケレナは本当のコトを告白したのです。

…「あのさアタシホントは、"グランド・ドンゴロス"って。使うの初めてだったんだ…、だからうまくゆくかど〜かわからなかったし。すごい緊張してたんだケド、ゴメン2人共黙ってて…」

聖戦士クリムも神官マルミも、…そろって首を横に振りました。

…「謝るコトないよ、スゴいじゃないかケレナ。初めてなのにあんなに大きな魔法…、やっぱりケレナは天才なんだね」

「そ〜ですよ、もしこのケレナさんの機転がなかったら…。この戦いに勝てていたかど〜か、…ケレナさんは本番に強いんですね」

…ヘトヘトな魔女ケレナでしたが、この2人と旅を続けて来て本当によかったと想ってゆたのです。