「さぁ覚悟なさい、…これがねこ女神"オー・ラロル"さまのみ心ですよ!!」
…2体のソーサラーちゃんねこを、神官マルミは次々に「ねこの手も借りたいメイス」で打ちました。
「アイタ〜痛いやおまへんか…、ワテらをナめたらあきまへんで」
ソーサラーちゃんねこも、「スケルトンの杖」を振り回し抵抗しますが…。
「ゆ〜コト聞けない悪いコは、…もっとおしおきが必要です!」
…「ねこの手も借りたいメイス」と「ステンレスの丸盾」を駆使して、神官マルミはジリジリと押していきます。
「えぇい何てしつこいヤツだ…、これで決着をつけてやる!!」
雷の悪魔ねこ「カミマル」は、聖戦士クリムがあまりに強くたくましく成長してゆるのに焦り…。
雷攻撃を繰り出そ〜と、…魔法の呪文の詠唱を始めました。
…「マルミ、バリアーを借りるよ。マルミも…、早く中に入って!」
聖戦士クリムと神官マルミは、それぞれ手近な理力のバリアーに避難して伏せます…。するとすぐに雷の悪魔ねこ「カミマル」の喚んだ雷が、…広範囲に炸裂し嵐を巻き起こしました。…しかし神官マルミの造った「ふるさと」のバリアーに、当たっては弾けます。
「クリムさん…、まだいくつかバリアーは残ってます。カミマルだってそ〜何度も、雷は起こせないでしょ〜し…。残った"ふるさと"で、…間に合わせましょ〜!!」
…神官マルミの呼びかけに、聖戦士クリムも応じました。
「うんわかった…、カミマルも。かなり疲れてるよ、あとも〜ひと踏ん張りがんばろ〜…!」
2人の読み通り、…雷の悪魔ねこ「カミマル」は相当消耗しています。…そもそも雷の悪魔ねこ「カミマル」の得意な戦術は、パワーに任せて一気に押し切るとゆ〜モノ。こ〜ゆったなかなか決着のつかない長期戦は…、苦手だったのでした。事実、悪魔ねこ「カミマル」は肩で息をしています…。
「ぜぇぜぇちくしょうこんなハズはない、…アタイがこんな虫ケラみたいなヤツらに苦戦するなんて」
…その時、魔女ケレナの声が響きました。
「はぁ〜いみなさん…、お・ま・た・せ」
魔女ケレナは黄色のオーラをまとい、溢れ出す魔力で宙に浮かんでゆます…。
「この美貌と抜群のスタイルを併せ持つ、…天才魔女ネコミミケレナさまの。…最大最強のグレートな必殺魔法の、準備は万端よ!!ほらクリムもマルミも…、早くバリアーに入って」
動揺してバタバタ走り回る、2体のソーサラ〜ちゃんねこ…。
「カ、カミマルさま、…ワテら一体ど〜すれば」
…「うるさいね、私だって今考えてるんだよ」
悪魔ねこ「カミマル」は…、最後の力を振りしぼって雷攻撃を仕かけよ〜と魔法の呪文を唱え始めました。
「フフン今さらも〜遅い、覚悟しな"グランド・ドンゴロス…!」
魔女ケレナが叫ぶと、…グワッと大爆発が始まります。…爆発は大きくふくれあがり、何もかもを巻き込んでゆきました。悪魔ねこ「カミマル」も2体のソーサラーちゃんねこも…、城門も城壁も何もかもが砕かれ崩壊していきます。地面までが、まるで崩れるかのよ〜にゴ・ゴ・ゴと唸りをあげてゆました…。
「す、すごい爆発だ、…マルミは大丈夫だろ〜か?」
…「ふるさと」のバリアーの中で伏せながら、聖戦士クリムは神官マルミを案じます。爆発は少しずつ収まってゆき…、あとに残されたのはまるっきりの荒野でした。
「あ〜、つっかれた〜…」
魔女ケレナは、…その場にペタンと尻もちを突きます。
…「ケレナ、やったね!!」
「ケレナさんお疲れさま…、すごかったです」
魔女ケレナの元に、聖戦士クリムと神官マルミが駆け寄りました…。照れてほっぺたをかきながら、…魔女ケレナは本当のコトを告白したのです。
…「あのさアタシホントは、"グランド・ドンゴロス"って。使うの初めてだったんだ…、だからうまくゆくかど〜かわからなかったし。すごい緊張してたんだケド、ゴメン2人共黙ってて…」
聖戦士クリムも神官マルミも、…そろって首を横に振りました。
…「謝るコトないよ、スゴいじゃないかケレナ。初めてなのにあんなに大きな魔法…、やっぱりケレナは天才なんだね」
「そ〜ですよ、もしこのケレナさんの機転がなかったら…。この戦いに勝てていたかど〜か、…ケレナさんは本番に強いんですね」
…ヘトヘトな魔女ケレナでしたが、この2人と旅を続けて来て本当によかったと想ってゆたのです。